
こんにちは。行政書士の落合です。
建設業界で活躍される皆さま、そしてこれからその道を志す方々へ。皆さんの事業を次のステージへと導く、強力な「パスポート」があることをご存じでしょうか。それが「建設業許可」です。単なる手続きだと思われがちですが、実はこの許可証こそが、ビジネスに計り知れないメリットをもたらし、未来を切り拓く鍵となるのです。
建設業許可について今回は触れていくことにいたします。
目次
1|なぜ今、建設業許可が求められるのか?~「選ばれる会社」の第一歩~
2|許可取得がもたらす、具体的なメリットの数々
1.社会的信用の飛躍的向上:ビジネスチャンスが無限に広がる
①取引先からの評価アップ
②金融機関からの評価向上
③顧客からの安心感
2.請負金額制限の撤廃:大規模工事への挑戦が可能に
①売上アップと事業規模拡大
②公共工事への参入
③優良な下請けとしての成長
3.公共工事への参入:安定した事業基盤の構築
①安定した受注
②技術力の向上と評価
③地域貢献と企業イメージの向上
4.従業員のモチベーション向上と優秀な人材確保:誇りを持てる職場へ
①従業員の士気向上
②優秀な人材の確保
③キャリアアップ支援
1| なぜ今、建設業許可が求められるのか? ~「選ばれる会社」の第一歩~

建設業に携わる方ならご存じの通り、一定規模以上の建設工事を請け負うには、法律で「建設業許可」が義務付けられています。具体的には、1件の請負金額が500万円以上(建築一式工事の場合は1500万円以上、または延べ床面積150平方メートル以上)の工事を請け負う場合、許可が必須となります。
もし許可なくこれらの工事を請け負えば、罰則の対象となるだけでなく、社会的な信用を失い、事業の継続が困難になるリスクを負うことになります。
しかし、建設業許可の取得は、単に法律を守るためだけではありません。むしろ、これからの事業成長、そして安定した経営基盤を築くための「未来への投資」と捉えるべきでしょう。許可を取得することは、あなたの会社がプロフェッショナルとして「選ばれる存在」になるための、最初の、そして最も重要な一歩なのです。
では、建設業許可を取得することで、具体的にどのようなメリットが得られるのでしょうか。その具体的な効果を一つずつ見ていきましょう。
2|許可取得がもたらす、具体的なメリットの数々

1. 社会的信用の飛躍的向上:ビジネスチャンスが無限に広がる
建設業許可は、いわばあなたの会社の「信頼の証」です。名刺やウェブサイトに「建設業許可番号」を記載できることは、それだけで対外的な信用度を格段に高めます。
➀取引先からの評価アップ
元請業者やゼネコンは、下請業者を選ぶ際、信頼性と安定性を重視します。許可業者は、法令順守意識が高く、経営基盤がしっかりしていると判断され、優良な下請けとして選ばれる機会が劇的に増えます。
②金融機関からの評価向上
融資を受ける際にも、許可業者であることは大きなアドバンテージとなります。経営の安定性や事業の健全性が認められ、有利な条件での融資や、より大規模な融資を引き出しやすくなります。
③顧客からの安心感
一般の顧客にとっても、許可を持っている業者は「ちゃんとした業者」「安心できる」という印象を与えます。特に個人宅の工事では、顧客の安心感が受注に直結します。
許可は、あなたの会社が社会から信頼される「ブランド」となるための基盤を築くのです。
2. 請負金額制限の撤廃:大規模工事への挑戦が可能に
これが、事業規模拡大を考える上で最も直接的なメリットの一つです。許可がないと請け負えない「500万円の壁(建築一式工事は1500万円)」を越えることで、これまで諦めていた大規模な工事案件にも挑戦できるようになります。
➀売り上げアップと事業規模拡大
億単位の公共工事や、数千万〜数億円規模の民間工事の受注が可能になり、売上を飛躍的に伸ばすチャンスが生まれます。
②公共工事への参入
建設業許可は、国や地方自治体が行う公共工事の入札に参加するための必須条件です。公共工事は、民間工事に比べて単価が大きく、安定的な受注が見込めるため、事業の安定化に大きく貢献します。
③優良な下請けとしての成長
大規模な元請工事に携わることで、より技術力の高い職人や協力会社とのネットワークが広がり、自社の施工能力やノウハウも向上します。
許可は、あなたの事業が新たなステージへとステップアップするための「通行手形」となるでしょう。
3.公共工事への参入:安定した事業基盤の構築
前述の通り、建設業許可は公共工事の入札参加資格を得るための前提条件です。公共工事の受注は、経営の安定化に直結します。
➀安定した受注
公共工事は景気に左右されにくく、計画的に発注されるため、安定的な事業量を確保できます。
②技術力の向上と評価
公共工事は高い品質基準が求められるため、受注を通じて自社の技術力や管理能力が向上します。さらに、その実績が「経営事項審査」で評価され、企業のブランド力や信頼性を高めることにも繋がります。
③地域貢献と企業イメージの向上
地域のインフラ整備などに貢献することは、企業としての社会的責任を果たすことにもなり、地域住民や関係者からの評価を高めます。
許可は、あなたの会社が社会に貢献し、長く存続するための確固たる基盤を築く手助けとなるでしょう。
4.従業員のモチベーション向上と優秀な人材確保:誇りを持てる職場へ
建設業許可の取得は、対外的なメリットだけでなく、社内にも大きな良い影響をもたらします。
➀従業員の士気向上
会社が「許可業者」であることは、従業員にとっての誇りや、会社への帰属意識を高めます。自分たちの仕事が社会的に認められているという実感は、日々の業務へのモチベーションに繋がります。
②優秀な人材の確保
安定した事業基盤を持つ許可業者は、求職者にとって魅力的な職場です。大規模な工事に携わるチャンスや、安定した給与・待遇が期待できるため、優秀な技術者や若手人材の確保が容易になります。これは、長期的な事業成長において不可欠な要素です。
②キャリアアップ支援
許可業者として事業が安定すれば、従業員の資格取得支援やスキルアップ研修など、人材育成への投資も積極的に行えるようになります。
許可は、あなたの会社を「人が集まり、育ち、輝く」職場へと変える力を持っています。
3|許可取得は、単なる手続きではない ~未来への「投資」~

4|まとめ ~信頼を力に変え、建設の未来を拓く~

建設業許可は、あなたの会社が社会的な信用を確立し、より大きなビジネスチャンスを掴み、安定した事業基盤を築き、そして優秀な人材を確保するための、強力な武器となります。
許可を取得することで、あなたの会社は単なる「業者」ではなく、「信頼されるプロフェッショナル集団」として、建設の未来を力強く拓いていくことができるでしょう。
あなたの事業の可能性を広げ、信頼を力に変えるための一歩を、今こそ踏み出してみませんか。
建設業許可申請、変更等のご相談お受けしております。下記のお問い合わせよりどうぞ。

執筆者
行政書士おちあい事務所 行政書士 落合真美
遺言や相続、建設業や産廃業などの許可申請でサポートを提供。人に、会社に、寄り添うことを大切にしています。