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こんにちは。行政書士の落合です。

令和5年に改正された「空家等対策の推進に関する特別措置法」いわゆる「改正空家法」に関しては、以前行政事務で携わっていた固定資産税とも深くかかわる法律ですから、窓口で市民の方へ触れることも多くありました。ここでは、改正空家法により誕生した支援法人制度について共有したく、以下のような課題や関心をお持ちの方々に向けて執筆しております

  • NPOや一般社団法人の運営者様:支援法人の指定を目指したいが、具体的な要件や手続きのハードルが知りたい。

  • 不動産関連の実務家・士業の皆様:改正法によって、所有者支援の現場がどう変わるのかを把握しておきたい。

空き家問題は、単なる不動産の問題ではなく、相続・登記・公法制限といった複雑な法的課題が絡み合う「街の課題」そのもの。私たちの暮らしとも密接した課題なのです。

今回は、行政書士という実務家の視点から、支援法人制度の仕組み、指定を受けるための具体的ステップ、そしてこの制度が地域社会にもたらす「官民連携の新しい形」について、徹底解説します。

「制度の概要は掴めたけれど、実際にはどう動けばいいのか?」という疑問に対するヒントを見つけていただければ幸いです。

 

目次

 1| 空き家問題の転換点

2| 空き家等管理活用支援法人とは何か
 2-1 
制度創設の背景
 2-2 
支援法人が行う業務

3|  支援法人の「指定」を受けるためのハードル  

 3-1 指定の対象となる団体
 3-2 実務上の「指定要件」と申請書類

4| 行政書士が「支援法人」に関わる3つのレイヤー 

 ① 「設立と指定申請」の専門家として
 ② 「法人の運営・外部専門家」として
 
③ 「地域コーディネーター」として


5| 所有者と行政、そして支援法人の「三方良し」へ

6| まとめ ~持続可能な地域社会の実現に向けて~

 

 

1| 空き家問題の転換点

日本国内の空き家数は増加の一途を辿り、今や大きな社会問題となっています。これまでの空き家対策は、倒壊の恐れがある「特定空家」の除却といった「事後対応」が中心でした。しかし、令和5年に施行された改正「空家等対策の推進に関する特別措置法(空家法)」は、その方向性を大きく「活用」と「管理」へと舵を切りました。

その目玉の一つが「空き家等管理活用支援法人(以下、支援法人)」制度です。この新制度の仕組みから詳しく解説します。

 

 

2| 空き家等管理活用支援法人とは何か

支援法人とは、空き家所有者等に対して、管理や活用に関する情報提供や助言を行う「公的なパートナー」として市町村長が指定する団体です。

 

2-1 制度創設の背景
自治体には日々、空き家に関する膨大な相談が寄せられますが、職員数には限りがあり、個別の不動産コンサルティングに近い領域まで踏み込むことは困難です。そこで、専門的な知見を持つ民間団体に「公的なお墨付き」を与え、行政の補完機能を担ってもらうことがこの制度の狙いです。

 

2-2 支援法人が行う業務
法に基づき、支援法人は以下の業務を行います。

  1. 普及啓発: 空き家対策の重要性に関する広報・セミナーの開催。

  2. 相談対応: 所有者等からの管理・活用に関する具体的な相談。

  3. 情報提供: 活用を希望する者への物件情報の提供やマッチング。

  4. 調査研究: 地域における空き家の実態調査。

  5. その他の業務: 市町村の計画に基づき、委託を受けた業務など。

3| 支援法人の「指定」を受けるためのハードル

支援法人になるためには、市町村が定めた基準をクリアし、指定を受ける必要があります。

3-1 指定の対象となる団体
一般社団法人、一般財団法人、NPO法人などが対象となります。営利を目的とする株式会社であっても、地域貢献性が高く、定款等で目的が合致していれば指定の対象となり得ますが、多くは非営利法人が想定されています。
 

3-2 実務上の「指定要件」と申請書類
自治体が公示する指定基準には、主に以下の要素が含まれます。

  • 業務遂行能力
    過去の活動実績や、専門知識を持つスタッフ(建築士、行政書士、宅建士等)の配置。

  • 経理的基礎
    継続的な活動が可能な財政状態。

  • 中立・公正性
    特定の事業者の利益に偏らない運営体制。

 

 

4| 行政書士が「支援法人」に関わる3つのレイヤー

行政書士としては、この制度への関わり方には3つの側面があると考えています。

 

① 「設立と指定申請」の専門家として
法人の設立から、自治体への指定申請手続きまでをトータルでサポートします。特に「事業計画書」の作成において、その地域が抱える空き家の課題(例えば相続未登記の多さや、農地法の制約など)を法的根拠に基づいて分析し、説得力のある書類を作成します。

 

② 「法人の運営・外部専門家」として
指定を受けた後の法人の運営において、コンプライアンス(法令遵守)のアドバイザーとして関わります。また、法人が受けた相談のうち、相続人調査や遺産分割協議書の作成、未登記物件の整理など、法的整理が必要な案件を実務家として他士業とも連携して処理します。
 

③ 「地域コーディネーター」として
空き家活用には、農地法、都市計画法、建築基準法といった多岐にわたる公法上の制限が絡みます。これらを統合的に理解し、行政との窓口になれる行政書士は、支援法人にとって不可欠なパートナーともいえるでしょう。

 

 

5| 所有者と行政、そして支援法人の「三方良し」へ

空き家所有者の多くは「何をすればいいか分からない」という不安を抱えています。

支援法人が窓口となることで、所有者は安心して相談でき、自治体は事務負担を軽減でき、地域は空き家の解消による住環境の向上が図れます。この「三方良し」の循環を作るための「潤滑油」こそが、専門家である行政書士です。

支援法人の指定を目指す団体にとっては、自治体が定める指定基準の読解や、それに応じた事業計画書等の作成は多大な事務負担となります。また、指定後の業務報告や適正な文書管理も、公的機関としての信頼を維持するために避けては通れないプロセスです。

制度の趣旨を理解し、行政実務の作法に則った正確な書類作成・手続遂行を維持することは、法人が本来の目的である地域貢献に注力するための不可欠な土台となります。

 

 

6| まとめ ~持続可能な地域社会の実現に向けて~

空き家等管理活用支援法人制度は、地域社会の持続可能性を支える重要なパーツとなり得ます。法人の皆様が、地域社会と行政の確かな橋渡し役として機能できるよう、当事務所は法務および行政手続の側面から実務的な支援を継続してまいります。

地域を問わずご相談をお受けしておりますので、お気軽にお問合せください。

行政書士おちあい事務所 
行政書士 落合真美

遺言、任意後見、死後事務委任などの生前対策や相続手続き、各種許可申請などでサポートを提供。人に、事業に、寄り添うことを大切にしています。

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