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こんにちは。行政書士の落合です。

人生100年時代と言われる現代、私たちは誰もが「もしも」の時に備える必要があります。特に、認知症などで判断能力が低下した際、ご自身の財産管理や生活、医療に関する意思決定をどうするのか、不安を感じる方も少なくないのではないでしょうか。

今回は、そうした将来の不安を解消し、ご自身の「安心」を自分でデザインできる「任意後見契約」について、行政書士の視点から詳しく解説します。

目次

1| 任意後見契約とは?「もしも」に備える、あなた自身の選択

2| 「法定後見」との違い~なぜ「任意」が大切なのか?~
  2-1 法定後見制度
  2-2 任意後見制度

3| なぜ今、任意後見契約が必要なのか?
  3-1 認知症への不安
  3-2 財産管理の心配
  3-3 身寄りのない方、遠方に家族がいる方
  3-4 医療・介護に関する意思の尊重
  3-5 家族間のトラブル回避

4| 任意後見契約で「何ができる」のか?委任できる具体的な内容
  4-1 財産管理に関する事務
  4-2 療養看護に関する事務
  4-3 その他、死後事務委任契約等と合わせて

5| 誰に任意後見人を頼めるのか?行政書士が受任者となるメリット
  5-1 専門知識と経験
  5-2 公平性と客観性
  5-3 継続性と安定性
  5-4 死後事務までの一貫したサポート

6| 任意後見契約の締結から効力発生までの流れと公正証書の重要性

7| まとめ ~安心な未来は、あなたの手でデザインできる~

 

1| 任意後見契約とは?「もしも」に備える、あなた自身の選択

任意後見契約とは、ご自身の判断能力がまだしっかりしているうちに、将来、認知症や病気などで判断能力が不十分になった場合に備えて、「誰に」「どのような内容の」支援をしてもらうかを、あらかじめご自身の意思で決めておく契約のことです。

この契約を結んでおくことで、ご自身の意思が尊重され、望まない形での財産管理や生活の決定がなされることを防ぎ、安心して老後を送ることができます。

 

2| 「法定後見」との違い ~なぜ「任意」が大切なのか?~

「後見制度」には、大きく分けて「法定後見」と「任意後見」の2種類があります。

2-1 法定後見制度

  • すでに判断能力が不十分になった方が対象です。

  • 家庭裁判所が、本人の状況に応じて「後見人」「保佐人」「補助人」を選任します。

  • 選任されるのは、親族とは限りません。弁護士や司法書士などの専門家が選任されることも多く、誰が後見人になるか、どのような支援内容になるかは、家庭裁判所が決定します。本人の意思が反映されにくい場合があります。

  • 一度開始すると、本人が亡くなるまで原則として終了しません。
     

2-2 任意後見制度

  • まだ判断能力がしっかりしている方が対象です。

  • ご自身で「任意後見人」となる人を選び、支援してもらう内容も具体的に契約で定めます。

  • ご自身の意思が最大限に尊重されます。「この人に、こんなことをお願いしたい」という希望を、契約書に盛り込むことができます。

  • 契約は公正証書で作成され、将来、判断能力が不十分になった際に、家庭裁判所が任意後見監督人を選任して初めて効力が発生します。

このように、任意後見契約は、ご自身が元気なうちに「もしも」の時の備えを「自分でデザイン」できるという点が、法定後見制度との決定的な違いであり、最大のメリットと言えます。

 

3| なぜ今、任意後見契約が必要なのか?

超高齢社会において、任意後見契約の必要性はますます高まっています。

3-1 認知症への不安
ご自身が認知症になった際、預貯金の引き出しや不動産の管理、介護サービスの契約などができなくなることへの不安は大きいものです。任意後見契約があれば、信頼できる任意後見人がこれらの手続きを代行し、財産を守ることができます。

3-2 財産管理の心配
ご自身の財産を適切に管理してくれる人がいなかったり、悪質な詐欺被害に遭うリスクを避けたいと考える方にとって、任意後見人は心強い存在です。

3-3 身寄りのない方、遠方に家族がいる方
身近に頼れる親族がいない方や、遠方に住む家族に負担をかけたくないと考えている方にとって、専門家などを任意後見人に選任しておくことは、大きな安心に繋がります。

3-4 医療・介護に関する意思の尊重
どのような医療を受けたいか、どのような介護施設に入居したいかなど、ご自身の希望を明確にしておくことで、判断能力が低下した後も、その意思が尊重された生活を送ることができます。

3-5 家族間のトラブル回避
もしもの時に、家族間で財産管理や介護の方針で意見が対立するのを避けたい場合にも有効です。

 

 

4| 任意後見契約で「何ができる」のか?委任できる具体的な内容

任意後見契約で委任できる内容は、非常に多岐にわたります。主なものとしては、以下の事務が挙げられます。

4-1 財産管理に関する事務

  • 預貯金の管理、出し入れ
  • 不動産の管理(賃貸契約の締結・解除、修繕の手配など)

  • 有価証券の管理、売買

  • 年金や給付金の受領

  • 税金や公共料金の支払い

  • 生活費や医療費、介護費の支払い

  • 金融機関との取引、契約

4-2 療養看護に関する事務

  • 医療機関との契約、入院手続き

  • 介護サービスの選択、契約、利用料の支払い

  • 介護施設への入居契約、退去手続き

  • 生活環境の整備(住居の確保、改修など)

  • 見舞いや安否確認

4-3 その他、死後事務委任契約等と合わせて

  • 葬儀・埋葬に関する手配

  • 医療費・入院費の精算

  • 公共料金・家賃の精算、賃貸契約の解約

  • デジタル遺品(SNSアカウント、オンラインサービスなど)の整理

  • ペットの世話や引き取り先の手配

これらの事務を具体的に契約書に盛り込むことで、ご自身の「もしも」の時に、どのような支援を受けたいかを明確にすることができます。また、身元保証契約、財産管理契約等を合わせることで委任できる範囲が広がります。

 

5|  誰に任意後見人を頼めるのか?行政書士が受任者となるメリット

任意後見人には、特別な資格は必要ありません。信頼できる親族や友人、知人を選ぶことができます。しかし、以下のような理由から、行政書士などの専門家を任意後見人候補者とすることも非常に有効です。

5-1 専門知識と経験
行政書士は、法律や行政手続きに関する専門知識を持ち、財産管理や契約に関する豊富な経験があります。複雑な手続きもスムーズに進めることができます。

5-2 公平性と客観性
親族を任意後見人とした場合、他の親族との間で感情的な対立が生じるリスクがあります。専門家である行政書士は、中立的な立場で公平に事務を行うことができます。

5-3 継続性と安定性
任意後見人は、長期間にわたって職務を遂行する必要があります。行政書士は、個人の病気や死亡といったリスクが比較的少なく、事務所として継続的なサポートを提供できるため、安定した支援が期待できます。

5-4 死後事務までの一貫したサポート
任意後見契約と合わせて死後事務委任契約も締結することで、生前の財産管理から死後の事務手続きまで、一貫して行政書士に任せることができ、ご家族の負担を大きく軽減できます。

 

 

6| 任意後見契約の締結から効力発生までの流れと公正証書の重要性

任意後見契約は、以下の流れで進みます。

  1. 任意後見人候補者の選定
    誰に任意後見人になってもらうかを決めます。

  2. 契約内容の検討
    どのような事務を委任するか、具体的に話し合い、内容を詰めます。

  3. 公正証書の作成
    任意後見契約は、必ず公正証書で作成しなければなりません。公正証書は、公証役場で公証人が作成する公文書であり、法的な効力や証拠能力が非常に高く、紛失や偽造のリスクも少ないため、安心して利用できます。

  4. 登記
    契約内容は、法務局で登記されます。これにより、契約の存在が公に証明されます。

  5. 任意後見監督人の選任申立て(効力発生時)
    将来、本人の判断能力が不十分になった際に、本人や親族、任意後見人などが家庭裁判所に「任意後見監督人」の選任を申し立てます。

  6. 任意後見監督人の選任と契約の効力発生
    家庭裁判所が任意後見監督人を選任すると、任意後見契約の効力が発生し、任意後見人が契約内容に基づいて事務を開始します。任意後見監督人は、任意後見人が適切に職務を遂行しているかを監督する役割を担います。

 

7| まとめ ~安心な未来は、あなたの手でデザインできる~

任意後見契約は、「もしも」の時に備え、ご自身の老後を安心して過ごすための、非常に有効な手段です。ご自身の意思が尊重され、信頼できる人に大切な財産や生活を任せられる安心感は、何物にも代えがたいものです。

当事務所では、任意後見契約に関するご相談を承っております。ご自身の状況やご希望を丁寧に伺い、最適な契約内容をご提案させていただきます。お気軽にご相談ください。

執筆者

行政書士おちあい事務所 行政書士 落合真美

遺言や相続、建設業や産廃業などの許可申請でサポートを提供。人に、会社に、寄り添うことを大切にしています。

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