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こんにちは。行政書士の落合です。

人生100年時代と言われる現代、私たちの老後の生活や、大切な資産をどのように守り、次世代に引き継いでいくかは、誰にとっても重要なテーマです。認知症の不安、相続のトラブル、そして遺言だけでは解決できない長期的な課題に備えるため、今「家族信託」という資産管理の手法が注目を集めています。

本コラムでは、家族信託がどのような仕組みで、どのようなメリットがあるのか、そしてどのような点に注意すべきかについて、分かりやすく解説していきます。

目次

1| 家族信託とは何か?

2| なぜ家族信託を選ぶのか?その3つの理由
  2-1 財産管理の自由度と柔軟性が高い
  2-2 認知症対策として非常に有効
  2-3 スムーズな事業承継にも活用できる

3| 家族信託を始めるにはどうすれば良いか?

4| 家族信託の注意点とデメリット

5| まとめ

 

1| 家族信託とは何か? 

家族信託とは、財産を持つ人(委託者)が、信頼できる家族(受託者)に自分の財産を預け、管理・運用してもらう仕組みのことです。そして、その財産から得られる利益を受け取る人(受益者)も、通常は委託者自身やその家族が務めます。

この仕組みの最大の特徴は、財産の所有権は委託者から受託者へ移るものの、経済的な利益は受益者が受け取り続けるという点にあります。この「所有権」と「利益を受ける権利」を分けることで、さまざまな問題を解決できるのです。

たとえば、もしあなたの親御さんが認知症になってしまった場合を考えてみましょう。親御さんの財産は凍結され、家族であっても勝手に引き出したり、売却したりすることはできません。しかし、家族信託を利用していれば、親御さんの財産は事前に受託者であるあなたが管理しているため、親御さんの生活費や介護費用に充てるために、自由に資産を動かすことができます。

このように、家族信託は、一般的な遺言や成年後見制度では対応しきれない「将来の認知症対策」や「長期的な資産管理」を可能にする、柔軟なツールなのです。

 

2| なぜ家族信託を選ぶのか?その3つの理由

多くの人が家族信託を選ぶのには、主に3つの大きな理由があります。

 

2-1 財産管理の自由度と柔軟性が高い
遺言は、財産の「誰に何を渡すか」しか指定できません。しかし、家族信託では「誰に何を渡すか」だけでなく、「どのように管理・運用するか」や「誰の代までその利益を受け継ぐか」まで、細かく決めることができます。

例えば、「私が亡くなった後は、このアパートの家賃収入を妻が受け取り、妻が亡くなった後は、そのアパートの所有権を長男に渡す」といった、二次相続以降の指定も可能です。これにより、遺された家族を長期間にわたって守るための計画を立てることができます。

 

2-2  認知症対策として非常に有効
高齢社会において、認知症は他人事ではありません。成年後見制度は、本人が認知症になった後に裁判所が選任するため、時間や手間がかかる上、専門家が財産管理を行うため家族の意向が反映されにくく、費用もかかります。

しかし、家族信託は、本人が元気なうちに契約を結んでおくことで、もし認知症になったとしても、受託者が本人の財産を凍結されることなく管理・運用し続けることができます。これにより、自宅の売却や大規模なリフォームなど、成年後見制度では難しい判断も、家族の話し合いのもとで柔軟に行うことが可能になります。

 

2-3 スムーズな事業承継にも活用できる
中小企業の経営者にとっては、後継者への株式承継が大きな課題です。遺言では、株式を誰に渡すかしか決められず、後継者以外の子どもたちが株式を相続することで、経営権が分散してしまうリスクがあります。

家族信託を利用すれば、経営者(委託者)が自身の保有する株式を後継者(受託者)に信託し、経営権を集中させることができます。一方で、株式の経済的な利益(配当金など)は、他の家族(受益者)が受け取るように設定することも可能です。これにより、経営権の集中と家族の生活保障を両立させ、円滑な事業承継を実現できます。

 

 

3| 家族信託を始めるにはどうすれば良いか?

家族信託を始めるためには、以下のプロセスを踏むことが一般的です。

  1. 家族での話し合い
    まずは家族で「誰に」「何を」「どうしてほしいか」を話し合います。これが家族信託の基礎となります。

  2. 専門家への相談
    次に、弁護士や司法書士など、信託に詳しい専門家に相談します。家族の要望を法的に有効な形にするためのアドバイスをもらいます。

  3. 信託契約の作成
    専門家と相談しながら、家族信託の契約書を作成します。この契約書は、家族信託の目的、管理方法、受託者の義務、受益者の権利などを明記する重要な書類です。

  4. 財産の移転手続き
    財産を受託者の名義に移転する手続きを行います。不動産の場合は、法務局での登記手続きが必要になります。

専門的な知識が必要なため、必ず専門家のサポートを受けるようにしましょう。

 

 

4| 家族信託の注意点とデメリット

良いことばかりのように聞こえる家族信託ですが、注意すべき点もいくつかあります。

 

  • 初期費用がかかる
    専門家への相談費用や契約書作成費用、不動産登記費用など、初期費用が発生します。

  • 受託者への負担
    受託者には、財産の管理・運用に対する法的な責任が伴います。財産管理の知識や時間が必要になるため、誰を受託者にするか慎重に選ぶ必要があります。

  • 税金対策にはならない
    家族信託はあくまで資産管理の方法であり、節税のための仕組みではありません。税理士などと相談しながら進めることが大切です。

 

5| まとめ

家族信託は、遺言や成年後見制度の課題を補い、より柔軟で長期的な資産管理を可能にする画期的な仕組みです。特に、将来の認知症に備えたい方や、円滑な事業承継を考えている方にとっては、強力なツールとなるでしょう。

しかし、その複雑さから、安易に始めるのではなく、必ず家族でよく話し合い、専門家の助言を得ながら進めることが何よりも大切です。
ご家族の大切な未来をデザインするための強力なツールである一方、法的な知識や複雑な手続きが必要となるため、ご自身だけで進めるには大きな不安が伴います。だからこそ、信頼できる専門家と共に検討することが不可欠です。

当事務所は、お客様お一人おひとりのご事情に真摯に向き合い、専門的な知識だけでなく、ご家族の想いを第一に考えたサポートを心がけています。

司法書士、税理士、弁護士など、必要に応じて各分野の専門家とのネットワークを活かし、お客様の状況に合わせて最適な専門家と連携することで、手続きの最初から最後までをトータルでサポートします。ご家族の安心した未来のために、まずはお話を聞かせていただけませんか?

 

執筆者

行政書士おちあい事務所 行政書士 落合真美

遺言や相続、建設業や産廃業などの許可申請でサポートを提供。人に、会社に、寄り添うことを大切にしています。

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